優*雪

総司の部屋へ行くと

「今日は、ここに泊まることになった!
お前の手料理も食べてみたい!」

「ふざけてんのか!?調子のるなよ!?
仕事は?」

「明日する」


総司といい、慶喜といい

駄々っ子すぎる!!


「帰るぞ!!」


慶喜をグイグイ引っ張る!


「えーいいじゃねーか!」

「うむ。雪の手料理を食べたい!」


「そう?んじゃ作ろかな…?」


平助と一が言うならね! 作るよ!

夕餉の時に慶喜が

「この後は、土方の部屋で集まろう!」

勝手に決めた…

土方さんもがっくり肩を落とす

「総司が一人増えたようだな!わっはっは!」

近藤さん… 正解!!




食器の片づけをしていたら


チクン!



少し胸が痛んだ



総司や慶喜が駄々をこねるのは

俺が、新選組といる時間を増やす為だろう


わかっているけど…素直に受け取れない


ズキッ

座って胸の痛みがひくまで柱にもたれ休む



こんな普通の生活でも、俺にとってはかなりしんどい






うたた寝したみたいで


目を開けたら……

土方さんが残りの食器洗ってた


「 ぷっはっ!! 何やってんの? 」

「おめえが寝てるからだろうが!!」

「起こせばいいのに!」


一緒に食器を片づける

「あれ?土方さんの部屋に集合だろ?」

「部屋、乗っ取られた
んで、お前呼んでこいって」

「あははっ ごめん!
慶喜、楽しいみたいで!」

「久しぶりに話したな」

「そうだっけ? よし!終わり!」

「行くか!」



土方さんの部屋は賑やかで、入る前に土方さんと目を合わせ、苦笑いした

部屋に入ってまた、苦笑い


酒もないのによくこんなに騒げるな…


とはいえ、皆の笑顔を心に焼き付ける


もし、男だったら

もし、病気にならなかったら




ずっと…こうして笑い合えたかな……




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