私を惚れさせて。私の虜になって。
見事に松木の足に着地した私。

「ん、おっけい」

「何もおっけいじゃないよ」

「いいのいいの」

何がいいんだか、満足したような声で笑っている。

話題も無くって、かと言って動けなくって、手持ち無沙汰に俯いていた。



「暗くなって来た」

「ね」

日も沈んで、急に冷え込んでくる。

「…寒いな」

「ちょっとね」

少し小さくなると、

「これならあったかい」

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