私を惚れさせて。私の虜になって。
あろうことか、私を後ろから抱きしめる。

「ちょ…なにして…」

「黙っとけよ」

「…ん」

いつの間にか、言うことを聞くようになってしまった。

「寝ていーぞ」

「え、…うん」

そんなこと言っても、腕が回っている部分が熱くてそれどころではない。

でも、何だかとっても安心できて。

「…ねぇ」

「ん?」

下ろした髪の隙間から、松木が見える。

「もっと」

恥ずかしいから俯いていった。

「もっと?」

「ぎ、ぎゅって…」

凄く恥ずかしいのに、

松木が腕を強めたら、そんなの無くなってしまった。

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