私を惚れさせて。私の虜になって。
「あはっ。乗っちゃうよ?」


「早く乗れ」



松木は、前ばっか向いて、


顔を見せてくれない。


「せーのっ」


勢いつけて、松木の上にどかんと乗る。


「容赦ねぇな」


そのまま立ち上がった。


「…松木、あんたでかいね」


「すがちゃんがチビなだけ」


「うるさい。走れー!」


私の言葉と同時に、松木は走り出す。



< 480 / 489 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop