ブラック王子と泣き虫彼女
「っ…もうっ!!!」
姿を現さない私に怒ったのか、女の人がズカズカと近づいてきた。
「っ…!!」
ヤバい…!
バレる…!!!
「…いいじゃん、先輩」
え……?
「玲矢…だって…!!」
「人の気配なんて俺 感じませんでしたよ?ていうか…俺、気分悪いんで今日はもう帰ってもらっていいですか?」
「え?玲矢、大丈夫!?」
「大丈夫ですよ。心配ありがとうございます」
「じゃ…じゃあ私 帰るわね」
「はい、気をつけてください」
そういう会話が聞こえた後、女の人が資料室の後ろのドアから出て行く音が聞こえた。
「はぁ…」
私は小さくため息をついた。
安心した…。
早瀬くんにはバレてなかったんだ…。
よかった。
これで早瀬くんがこの資料室から出て行くのを待っていよう。
……そう思ったのもつかの間だった。