風に恋したキミと



なぜなら桐島の表情が凛としていたから。



「だったら俺達は別れる必要はない。



けど、橋本の言葉に反発していくってことはこれから俺たちに対しての当たりは強くなっていくと思う。



だから何言われても、大会に出してもらえなくなったとしても絶対気持ちで今日みたいに負けんなよ!



俺も絶対負けないから」



「桐島……」


違った……。



桐島、わたしと付き合い続けるために言ってくれた言葉だったんだ。



でも強がりながらわたしに言ってくれたのか少し抱き締めてくれる腕が震えてる気がする。



桐島もきっと橋本先生に言われてショックだったよね。



そんな姿ひとつ見せずにわたしを探してくれて、励ましてくれたこと、



何よりわたしは別れを選ばずに付き合うことを選んでくれたことがすごくすごく嬉しかったよ。



橋本先生に逆らうけど、わたしたちは走りで絶対に見せつけようね。



わたしも絶対に気持ちでは負けないよ。



そんな気持ちも込めて、わたしも思いっきり桐島に抱き着いたんだ。


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