風に恋したキミと



両手でぎゅっと手を合わせて握りしめる。



ドクンドクンと速くなる鼓動がどんどん緊張感を増していく。



今はただ“大会で走りたい”って気持ちだけ。



「……次、3000



宮内、それから小川」



「はいっ!」



「……はいっ!」



良かった。わたしの名前呼んでもらえた。



「莉桜良かったじゃん!あたしも幅(走り幅跳びの略)で出れるよー!」



「やったね!大会頑張らなくちゃね!」



嬉しかった。すごく嬉しかった。



でも笑顔でさやかと喜びながらも、心の中では違うことを考えていたんだ。



< 23 / 361 >

この作品をシェア

pagetop