風に恋したキミと



そんな逃げ出した毎日を送っていた日のことだった。



いつもどおり朝練に行って、朝練は基本個人でやる形になってて外周をジョギングをしていて



校門のところまで走り切ると、柊くんに「ちょっと待て!」と言ってわたしを止めた。



いったい何の話だろうと思いながら柊くんのそばに行くと、柊くんは真面目な顔をしてこう言った。



「落ち着いて聞けよ。桐島が今さっき学校に来た。



教室の方に松葉杖で言ってたからそう遠くないところにいるって、小川!」



わたしは途中まで聞いて校舎に向かって、無意識で走り出していた。



20分ジョギングして走った疲れなんて知らない。



佑真から逃げ出してたのに、心は佑真に会いたくて、ちゃんと生きてるのか一目でもいいから見たくて



校舎に着くとランニングシューズを脱ぎ捨てて、上履きも履かずに佑真の教室に向かった。



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