風に恋したキミと



だけどすぐに後ろから左手首グッとを引っ張られた。



条件反射ですぐに振り向くと、わたしの腕を掴んでいたのは



「佑真……」



今色紙を渡したばっかりの彼で。



佑真はさっきよりもわたしの手首をぎゅっと握る。



そして何を言われるんだろうと待っているよりも先に……。



「俺、絶対箱根行くから。



莉桜も絶対観に来いよ」



そう言って、わたしが書いた色紙の内容をすぐに返事してくれた。



その言葉が胸に響くほどうれしくてたまらなくて



わたしは満面の笑みでコクンと頷いたんだ。






Fin*



< 339 / 361 >

この作品をシェア

pagetop