風に恋したキミと
だけどすぐに後ろから左手首グッとを引っ張られた。
条件反射ですぐに振り向くと、わたしの腕を掴んでいたのは
「佑真……」
今色紙を渡したばっかりの彼で。
佑真はさっきよりもわたしの手首をぎゅっと握る。
そして何を言われるんだろうと待っているよりも先に……。
「俺、絶対箱根行くから。
莉桜も絶対観に来いよ」
そう言って、わたしが書いた色紙の内容をすぐに返事してくれた。
その言葉が胸に響くほどうれしくてたまらなくて
わたしは満面の笑みでコクンと頷いたんだ。
Fin*