風に恋したキミと
“絶対治るから。次の大会には走れるから元気出せよ”
彼の言葉がスーっと自分の中に入ってくる。
何度も、何度も。
まるで彼に魔法をかけられたかのように。
このまま何もしなかったら、わたしの体力は容赦なく落ちて、
それから自分の自己ベストタイムからどんどん遠退いていく。
けど、わたしの足は走らなければ、他は何をしたっていいんだ。
とにかく今の自分にできることは一つ。
「……筋トレだ」
みんなが走ってる間、わたしは筋トレして少しでも体力を落とさないようにしよう。
そう心に決めたわたしはパソコンで足を使わない筋トレ方法を調べはじめたんだ。