風に恋したキミと
「あっ!
あれ、桐島?」
「左から七番目のあの黒いのだよな?」
わたしは『はい!』と桐島を見つめたまま返事をする。
桐島って筋トレ結構しててがっちりしてるのに、ほそっ!
気付いたら、いつも走ってるイメージあるから走った分だけちゃんと食べてるのかな?
なんて、後ろ姿を見ながらいろいろ考えてしまう。
「On your mark……」
ーバンッ!
とスターターの雷管の音ともに選手たちは一斉に走り出した。
とは言っても、100mのように短距離ではないから、ペースはそれに比べて遅い。