【実話】終わらないトンネル



私も標的の週もあった

授業中にどこからかクスクスと
薄ら笑いを受け休み時間には
別物のように避けられる

いじれる所を見つけると
すぐにそれが悪口に変異し
クラス中の輪の中で盛り上がる

どうかしているが
私も日によって他の子を
こうやってイジメいたのだから
それなりの報いだっただろう


その「イジメ」ごっこは
だんだんとエスカレートし
担任の先生までも察する程になった
きっとクラス全員が常に気にしつつ
気にしないようにしていただろう


そんなある日、週に一度の楽しい授業
木曜日の5時間目、レクレーションタイム
先生が重たい表情で教卓に立つ。

てっきり鬼ごっこか椅子取りゲームか
出来ると思っていたわたしたちは
ザワつきが一瞬にツーンとした空気変わった


「えー皆さん、よく聞いてください。
このクラスの..問題は何ですか?度を超えてますよねぇ」


「?」

..「!」


クラス全員の頭にクエッションマークと
エクレッションマークがそれぞれ浮かぶ


「一人一人手を上げろとは言わない。
今から配る紙に心当たりを書いてください。
名前は書かなくていいから。
このクラスをいいクラスにするためだから
正直に書いて下さいね。」



私はホッとした。


この無限ループが終わる..
自分の悪事のモヤモヤとやっとバイバイできる。


私はイジメの中心に居た子達の名前、
自分がした事、 された事、
サラちゃんのことを書いた。


そして、書きながら
サラちゃんや主犯だった子達の様子を伺った
笑っている子、焦っている子 それぞれ─


「誰が言ったとか誰が一番悪いとかじゃない
皆、いけないことをしたんだぞ。よく覚えておきなさい。」


この時を境に先生が動き
「イジメ」ごっこの流行は過ぎ去った

ちなみに、最初で最後に
主犯のカナがいじめられて─


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