【実話】終わらないトンネル
あ と が き



自ら気付かない何かが
狂い始めていると実感している。

そうすると、無性に死にたくなる

そもそも私は中学の時、
死ねていたのに死にそびれ
今日まで生きてしまった

そう思うと何故、今日があるのか
疑問で仕方ない…苛立つ。



“ 死のう ”

小さな強い決意をすると、

聴こえる。

ヒマワリの笑顔を持つ彼の声が空から

「大丈夫だから、
とにかく無理だけはしないで。」

彼は願っていないだろう…
私が死んでしまうことを
諦めてしまうことを。



あの日、彼は言った。
「俺は永遠に見守り続ける。
必ず幸せになるまで見届ける。
だから、もう泣かないで。」


“ありがとう”

私は毎日、空に向かって微笑む。

彼は今どこにいて何を思うだろう。

命を大切にできなくてごめんね。
いつも想って泣いてばかりでごめんね。


私には唯一の味方がいる
彼が居なければ私はきっとない
ずっと前に亡くなってるよ

もしの声が幻聴だと言われても
都合のいい声だと言われても
私は否定する、これは彼の声だから。


もし私が生きてしまったとして
生きすぎたとしてその事実を
誰が喜ばなくても私が喜ばなくても
彼はたった一人喜んでいる。

「俺が願うのは残してきてしまった
みんなの幸せと笑顔だから。」

そう彼は全てを悟るように
優しくも強く微笑むんだ。


私は不自由で不必要だ。

ただ彼は私の死後をこう言った。

「白い綺麗な光になって
世界中の幸福を願う人になるよ」

そうなれるとするなら
恥のない温かく広い心で
死を迎えなくてはいけない。

そのためにきっと生きるんだ
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