あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~
「おはよ」
俺がそう言うと、史花は俺のほうを向き
「あ、啓…」
といってまた元に戻った
「史花学校行くぞー?」
「・・・」
「史花ー?」
「え?」
おかしい
「学校いくぞ!」
「あ、うん…」
やっと気づいた史花はそう言って、1人でボーッと歩き出した
「・・・どうしたんだあいつ」
いつも危なっかしい史花だけど、今日はいつも以上だ
「・・・ねえ、啓」
「ん?」
「啓は、優しいねって言われたら、嬉しい?」
質問の内容に疑問を抱きながらも
「まあ、そりゃな」
と返す
というより、自分も含めて、今まで褒められるのが嫌なやつなんて、見たことがない
「そうだよね…」
そう言って史花は元に戻った
「なんかあったのか?」
俺がそう聞くと、史花は んー… と口を濁したまま何も言わず、あっというまに学校についてしまった