僕と三課と冷徹な天使

目の前に

僕の作ったチャーハンを
僕の家で食べているコオさんがいる。

これ、現実かな?

もしかしたら、まだ寝ていて
夢を見ているかもしれない、と思う。

でも目の前には
ランチと同じ笑顔で食べるコオさんがいる。

「おいしい~
 ビールにも合いそう」

とコオさんが言う。

ビール・・・
お酒のことは考えたくない。

あ、とふと思ってコオさんに聞く。

「コオさんは昨日、ビール飲めましたか?」

「うん、飲んだよ~ 
 灰田のろれつがまわらなくなったころかな」

と言ってにやっと笑った。

聞かなければよかった・・・

でも酔ったコオさんはどんなふうだったんだろう。

二度と見れないかもしれないなあ・・・

「また飲もうよ」

意外な言葉がコオさんの口から出た。

全然飲みたくないけど、うれしい。

「はい。もう日本酒は飲みません」

「うん。私も全力で止めるわ」

とコオさんはチャーハンを食べながら笑った。



その夜、夢を見た。


「・・・本当に忘れちゃったの?」
 
コオさんが僕のネクタイを外す。

「・・・誰がスーツを脱がしたと思ってるの?」

僕の服を脱がしながら、キスをして言う。

柔らかい唇。

絡みついてくる、コオさんの舌。

え?

・・・はっとして目が覚めた。

夢、だよね・・・

どんだけ飢えてるんだ俺は・・・

かなりリアルだった・・・

動悸が激しいのは二日酔いのせいじゃない。

目を閉じて思い出す。

心が溶けそうになる。

・・・DVDに焼いておきたい。

でも無理。

忘れないように何度も
頭の中でリピートして

心に焼き付けようとする僕だった。
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