僕と三課と冷徹な天使

もう

家に帰った僕は
グーグル先生に聞くまでもないな、
と思った。

失敗をしてしまって、
キスをさせられる。

しかもお酒を飲んでいる。

これはもう、決まっている。

反田部長が言うように、
コオさんはやっぱりキス魔だったんだ。

・・・もう~。

やめてほしい。

僕の心はぐちゃぐちゃだ。

荒らさないでくれ・・・。

抱き枕を抱いて
顔を埋めると、コオさんの
柔らかい唇を思い出した。

うわあ~・・・ちゃんと覚えてる・・・

お酒飲んでキスさせるなんてずるい。

もう・・・

心の中がコオさんのことでいっぱいだ。

むしろ
心だけじゃ足りなくて
どんどん溢れ出てくる。

抑えても無駄だ。

・・・余韻に浸ってしまえ。

コオさんが僕に寄り添ったときに
触れた太もも。

僕を見上げるコオさんの潤んだ瞳。

目を伏せたコオさんの顔。

キス以外のことも全部はっきりと思い出せる。

だって、夢じゃないもん・・・

実体験だもん・・・

・・・うわー、
すごいことしちゃった、俺・・・

・・・ラッキーだった・・・

コオさんがキス魔でよかった・・・

何度も鮮明な映像を
頭の中でリピートする。

・・・コオさん大好き・・・

頭が勝手にしゃべりはじめる。

俺、頭がおかしくなったかな?

もういいか。

・・・コオさん・・・

抱き枕を抱きながら
ひたすらコオさんを思う。

・・・またキスしたい。

ええ~?

死んじゃうかもよ?

それでもいい・・・

またキスしたいよ・・・


気がつくとそのまま寝ていて、以前と同じ
濃厚なキスをコオさんとする夢を見た。

夢の中で、もしかして
これは夢じゃなかったのかも、と思ったが
起きたら忘れてしまっていた。
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