大切なものはつくらないって言っていたくせに
翌日、佑樹はまた俺のスタジオにやって来た。
電話では、失敗した事を伝えてある。
直接目の前で、俺は一ノ瀬遥と接触した一部始終を話した。
佑樹の変化を1つも見逃すまいと、じっくりと観察しながら。
佑樹は、もう関係ないし、自分はもういないものだとされていると聞いて、苦笑した。
それからゆっくりと目を伏せて、大きくため息をついた。
頬杖をついて、スタジオの外を見る。その目は、外を見ているようで、本当は彼女といたイタリアでの時間を思い出しているのかもしれない。
女の事で、落胆している様子も、その佑樹の表情も、俺はあんまり見たことがなかったから、正直驚いた。
「ありがとう。時間取らせて悪かったな。」
佑樹はそう言った。
「俺、なんか彼女に興味が湧いてきたんだけど」
俺は、ちょっと佑樹に意地悪をしてやりたくなった。
「・・・・・・・・。」
佑樹は、あの鋭い目つきで俺を見やる。 まるで、あの女は俺のだと言わんばかりに。
おもしれー。こんな佑樹ははじめてだ。常に女の事では冷静だった佑樹。
今は、感情が丸裸になっている。
「特に美人ってわけじゃないし、いたって普通じゃん? だけど、なんか気になる。
しかも、この俺を拒否るってどうよ? 落とせないもんは、落としたくなるよね。」
追い討ちをかけるように言ってみる。
「・・・・・・・・。」
佑樹は黙ったままだ。目をそらして、床の一点を見つめる。
「・・・・・佑樹、どうすんだよ?このままでいいわけ?」
「分かんねーよ。」
佑樹がこんなに自信喪失した姿を見せるのも初めてだ。
おもしれー。
ある意味、やっぱり彼女に興味がわく。
しかし、もう次の日には、佑樹の事で世間は大スクープになり、佑樹が俺のスタジオに来るのもままならなくなった。
電話では、失敗した事を伝えてある。
直接目の前で、俺は一ノ瀬遥と接触した一部始終を話した。
佑樹の変化を1つも見逃すまいと、じっくりと観察しながら。
佑樹は、もう関係ないし、自分はもういないものだとされていると聞いて、苦笑した。
それからゆっくりと目を伏せて、大きくため息をついた。
頬杖をついて、スタジオの外を見る。その目は、外を見ているようで、本当は彼女といたイタリアでの時間を思い出しているのかもしれない。
女の事で、落胆している様子も、その佑樹の表情も、俺はあんまり見たことがなかったから、正直驚いた。
「ありがとう。時間取らせて悪かったな。」
佑樹はそう言った。
「俺、なんか彼女に興味が湧いてきたんだけど」
俺は、ちょっと佑樹に意地悪をしてやりたくなった。
「・・・・・・・・。」
佑樹は、あの鋭い目つきで俺を見やる。 まるで、あの女は俺のだと言わんばかりに。
おもしれー。こんな佑樹ははじめてだ。常に女の事では冷静だった佑樹。
今は、感情が丸裸になっている。
「特に美人ってわけじゃないし、いたって普通じゃん? だけど、なんか気になる。
しかも、この俺を拒否るってどうよ? 落とせないもんは、落としたくなるよね。」
追い討ちをかけるように言ってみる。
「・・・・・・・・。」
佑樹は黙ったままだ。目をそらして、床の一点を見つめる。
「・・・・・佑樹、どうすんだよ?このままでいいわけ?」
「分かんねーよ。」
佑樹がこんなに自信喪失した姿を見せるのも初めてだ。
おもしれー。
ある意味、やっぱり彼女に興味がわく。
しかし、もう次の日には、佑樹の事で世間は大スクープになり、佑樹が俺のスタジオに来るのもままならなくなった。