歌姫の君に恋をした。
「…どうして俺とわかった」


千春と呼ばれた男は杏奈に話しかける。
さも知り合いです。というように。


「覚えてないのかしら?私内宮財閥の次女の杏奈ですわ」


杏奈は内宮財閥の次女。
財閥継ぐのは詩織の方だけど…。

「ああ…あの時の…」

千春は何かを思い出すかの様にニヤニヤしていた。


「…あの子に…美春になんの用なの!?」


杏奈はキレていた。
まるで何かに怯えてるように…何かを守るように…。
千春は少しニヤっとしながら「死という名の裁きを」それだけ言って千春は去っていった。
杏奈は頬に1つの涙を流し座り込んでしまった。

「輝夜達の所戻ろっか」

そういう結斗も俺と同じで状況が掴めていない様子だった。

「美春には今の事言わないで」

そういう杏奈のお願いに俺と結斗は頷いた。




この時気がついていれば良かったんだ。
これが歯車のパーツが揃い動き出す合図だってこと…。
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