四百年の恋

残響

 耳に響いてくるのは……。


 異国のメロディのような賛美歌。


 辺りを照らす、柔らかな蝋燭の灯り。


 壁に描かれた、主や聖母の微笑みに見守られながら。


 静かに祈りを捧げる信者たち。


 祈りの言葉を与える司祭。


 (司祭さま。この罪深き身である私を、神はお赦しになるのでしょうか)


 誰かが救いを求めている。


 ……。


 ……。


 「センセー、お祈りの最中に居眠りはよくないよ」


 「うわっ!」


 突然耳元で囁かれて、圭介は飛び上がった。


 急に大声を出して、椅子をガタンと鳴らしたので、祈祷の最中の司祭がじろっと圭介を睨んだ。
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