四百年の恋
 ……その後も様々な話題に飛び火しながら、夜は更けていった。


 「まったく、最近の若いもんは」


 圭介のそんなつぶやきに、周囲は大爆笑。


 「お前の口からそんな台詞が出てくるようじゃ、世も末だな」


 昔の圭介を知る連中なので、失笑を禁じ得ない。


 「昔はお前が、先生たちに何度もそんな台詞を浴びせられていたのに、立場が逆転だな」


 「今になってあの頃の教師たちの気持ちが、お前は身に染みてるんじゃないのか」


 「そうだな。俺も若い頃は、散々回りに迷惑かけたけどさ。今の若い奴は理解不能なのばっかりだ。宇宙人かって思いたくなるくらいだぞ」


 宇宙人、と口にした時、圭介はふと清水の顔が頭に浮かんだ。


 「俺たちだって年長者に散々、新人類だとか言われてたし」


 「新人類って、もっと年上じゃないの?」


 「ちょうどセンター試験が導入された頃か」


 「元号、昭和が平成に変わったのも、その頃だったよな」


 ビールと笑いの中、思い出話に花を咲かせ続けた。
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