四百年の恋
「吉野くん」
講義が終わった後、真姫は圭介を追いかけるようにして、テラス部分に出た。
三階の廊下を真っ直ぐ進み、扉を開けるとテラスに続いている。
地学系の学生たちが、そこでよく太陽の高度を調べたりしている。
三方は金網で囲まれているが、一般の学生にも解放されている。
弁当を食べに来たり、休み時間に憩いの場として利用したり。
そしてこの日、講義が終わるとすぐに圭介はテラスに出た。
端まで歩み出て、金網越しに空を眺めていた。
「ごめんなさい、私……」
何から謝っていいのか分からず、真姫は言葉を失ってしまった。
「なぜお前が謝る? 俺があの時お前にあんなことをしなければ、こんな結果にならなかったんだから」
「だって私が吉野くんを突き飛ばしたのが原因なんでしょ? それでバランスを崩して転落したんだよね? 私が吉野くんをそんな目に……」
「違う」
自分を責め続ける真姫を、圭介は押し止めた。
講義が終わった後、真姫は圭介を追いかけるようにして、テラス部分に出た。
三階の廊下を真っ直ぐ進み、扉を開けるとテラスに続いている。
地学系の学生たちが、そこでよく太陽の高度を調べたりしている。
三方は金網で囲まれているが、一般の学生にも解放されている。
弁当を食べに来たり、休み時間に憩いの場として利用したり。
そしてこの日、講義が終わるとすぐに圭介はテラスに出た。
端まで歩み出て、金網越しに空を眺めていた。
「ごめんなさい、私……」
何から謝っていいのか分からず、真姫は言葉を失ってしまった。
「なぜお前が謝る? 俺があの時お前にあんなことをしなければ、こんな結果にならなかったんだから」
「だって私が吉野くんを突き飛ばしたのが原因なんでしょ? それでバランスを崩して転落したんだよね? 私が吉野くんをそんな目に……」
「違う」
自分を責め続ける真姫を、圭介は押し止めた。