勝手に百人一首
「そうよ、竜田川は生駒山から………」





「わっ、やっぱり『山』なんだ!

『神』様の『山』だってよー!」






大石くんがまた、今井くんを振り返りながらにやにやと笑った。





みんなも、ちらちらと今井くん、そしてあたしを見ている。






ーーーあぁ、もう、最悪。




ほんと、顔、あつい。



まじで、やだ………。






穴があったら入りたい、ってことわざの意味、今日ほど実感したことはない。






てゆーかもう、逃げたい………。






あたしはほとんど泣きそうな気分で、シャーペンをぎゅっと握りしめ、顔を伏せた。






そのとき。







「………うるっせえぞ、大石!!

授業の邪魔すんな!!」







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