Not to memories
俺は特に用のないトイレに行き、手を洗ってすぐに廊下に出たが、もう二人の姿はなかった。

佐藤は1年の時同じクラスだったが、男女ともにウケがいい。クラスのムードメーカ的存在だ。

特に女子からはモテる。一年の時は、何人かにコクられているのを目撃している。目撃しなくてもすぐに噂が飛び交うぐらい、女子からしたらアイドル的な存在なのだろうか。

そんな佐藤が、クラスで目立たない飯田さんと会話をしている。しかも佐藤の顔はいつもと違い少し照れているように見えた。わざわざ隣のクラスに行ってまで飯田さんの連絡先を交換したのだ。

好意を持っているに違いない。

意外だ。

佐藤は飯田さんのどんなところに魅力を感じたのだろうか。
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