Not to memories
放課後、普通に帰ろうと下駄箱に向かおうとすると矢野が俺の腕をつかみ、ニヤニヤしている。。。

「ってかお前、何ふつうに帰ろうとしてんだよ。忘れたとはいわせねー!今日行くって言っただろうが」

はっ?あっ!

「言ってねぇし」

「あーー?わかったって俺はちゃんと聞いたかんな!」

。。あっまじか。。あん時。飯田さんと佐藤を観察するために適当に返事をしたことを思い出し、後悔した。


「俺の話聞いてんのか!!今日は普通の合コンじゃないんだって!わかってんのか??
俺の大好きなまどかちゃんが来るんだから!
まさと頼むよ。俺のことちゃーんと引き立ててくれよ?」

「あのいつも話してるやつか?」

「そーだよ!ってかおまえ、いい加減名前ぐらい覚えろよなー。
それよりもな、まさと!お前、絶対まどかちゃんとんなよ!まさとはモテるから優しくしたら惚れられる可能性あるからな。まどかちゃんには素っ気なくしろよ」

「ってさ矢野!同じ学校のやつと合コンかよ」

満面の笑みでピースをする矢野。


めんどくさ。
矢野は毎日のように、まどかちゃんが隣のクラスまで足を運び、話しかけにいっているのを知っている。
あそこまで積極的になれる矢野は見ていて、恥ずかしいが、なかなかできることではない。

矢野に彼女ができれば、当分合コンから解放されるはずだ。

そう思うと少しは行く意味があると思える。

乗りきろう。


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