華麗なる安部里奈

雅楽坂公園での遊び

「もう……里奈はいくつになってもワガママなままだな……。分かったよ。ヒロキとツヨシに聞いてみる」

結局、私の執拗な説得により、テッちゃんは一緒に遊ぶ事をOKしてくれた。後日、ヒロキ君とツヨシ君も私のお願いを了承してくれたとの話で、私はテッちゃんと久々にガッツリと遊ぶ事ができるようになった。




5年生の夏休みに入ると、私はテッちゃん、ヒロキ君、ツヨシ君の3人と一緒に、近所にある小さな公園『雅楽坂公園(ががくざかこうえん)』を中心に遊ぶようになった。

公園にはそれほど多くの遊具はない。公園自体の大きさは少年野球のグラウンドくらいだろうか。

ブランコ、鉄棒、ジャングルジムと跳び箱代わりにできるタイヤが5つほど。それに小さな砂場がある程度の、本当に平凡な街中の公園の一つだ。



テッちゃん達、男子3人組は、そんな公園周辺を探索したり、近所で有名な変なおじさんの後を付けたり、いかにも男子らしいくだらない遊びに夢中だった。

テッちゃんと遊びたいと思っていた私も、まさかこんな遊びをするとは思わなかったので、最初は戸惑ったが、次第に3人の遊びにも慣れてきて、私のほうから遊びを提案する事もあった。

そんな私を、最初のうちはゲスト扱いしていたヒロキ君とツヨシ君だったが、2~3回遊びに参加した後は、私の事も仲間と認めてくれるようになっていた。

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