年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
次の日、仕事が終わってから時間を潰して、ノーブルに向かった。
今日が私の誕生日だと知っている同期の遠藤くんが、独り身の私に気を遣って誕生会という名の飲み会を企画してくれようとしたけど、丁重に断った。
指定された時間は、初めての時と同じ、夜九時。
いつも通り少し早く着いた私は、下からスクリーンの降りたガラスを見ながら、小さく深呼吸をした。
よし、冷静に、笑って、笑って。
ドアを開けると、大輔くんは辻井さんと二人並んで、フロントのパソコンに向かいながら何かを話していた。二人同時にこちらを向いて、辻井さんは相変わらずの綺麗な笑顔で、大輔くんは人懐こい笑顔で出迎えてくれる。
「お待ちしてました。こちらへどうぞ」
椅子に案内されて、鏡越しに大輔くんと向き合う。
「この前は騒々しくてすみませんでした。お邪魔しませんでした?」
「ううん、本当に帰るところだったんだ。気にしないで」
もっと早く帰っておけば良かった、とあの後思ったけど、でも早目に現実を見ることができたのだから、やはりあれで良かったのかもしれないと思い直した。
「今日はボブに挑戦したいと思ってるんです。ちょっと長めに残して、バングも厚めに作って」
まだショートにはならないのか、と安心したような残念なような複雑な気持ちになる。
私がショートになってしまったら、カットモデルとしての役割も終わりなのか、それとも伸びた頃にまた思い出して呼んでくれるのか。
「お任せするよ。きちんと似合うようにしてくれる、って信頼してますから」
私が鏡越しに大輔くんを見ると、彼も私を見返して、嬉しそうに笑った。
今日が私の誕生日だと知っている同期の遠藤くんが、独り身の私に気を遣って誕生会という名の飲み会を企画してくれようとしたけど、丁重に断った。
指定された時間は、初めての時と同じ、夜九時。
いつも通り少し早く着いた私は、下からスクリーンの降りたガラスを見ながら、小さく深呼吸をした。
よし、冷静に、笑って、笑って。
ドアを開けると、大輔くんは辻井さんと二人並んで、フロントのパソコンに向かいながら何かを話していた。二人同時にこちらを向いて、辻井さんは相変わらずの綺麗な笑顔で、大輔くんは人懐こい笑顔で出迎えてくれる。
「お待ちしてました。こちらへどうぞ」
椅子に案内されて、鏡越しに大輔くんと向き合う。
「この前は騒々しくてすみませんでした。お邪魔しませんでした?」
「ううん、本当に帰るところだったんだ。気にしないで」
もっと早く帰っておけば良かった、とあの後思ったけど、でも早目に現実を見ることができたのだから、やはりあれで良かったのかもしれないと思い直した。
「今日はボブに挑戦したいと思ってるんです。ちょっと長めに残して、バングも厚めに作って」
まだショートにはならないのか、と安心したような残念なような複雑な気持ちになる。
私がショートになってしまったら、カットモデルとしての役割も終わりなのか、それとも伸びた頃にまた思い出して呼んでくれるのか。
「お任せするよ。きちんと似合うようにしてくれる、って信頼してますから」
私が鏡越しに大輔くんを見ると、彼も私を見返して、嬉しそうに笑った。