年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「店舗の内装の話だろ、今の。うまくいったみたいだな」
「おかげさまで。片桐さんに担当していただいて良かったです、だってさ」
にやけ続ける私を呆れたように見下ろした。すぐに一緒に注文したビールが運ばれてきて、バイトくんからグラスを受け取った祥裄は私に向かって掲げる。
「無事終わったんなら良かったよ。お疲れさん」
ほら、と差し出されるグラスに、私も自分の水のグラスを掲げて、コツンとぶつける。祥裄は笑って、グビグビと美味しそうに喉をならして半分を一気に飲み干した。
「これで気分的に少しは落ち着くか?」
「まあね。この一ヶ月、ずっと頭の中を回ってたけど、やっと仕舞い込めるわ」
まだ引渡しまで期間はあるけれど、しばらくは私にできることはない。住宅のほうも担当している物件があるし、今度はそっちにシフトチェンジしなきゃ。
「そっちはどうよ、最近。噂じゃ頑張ってるみたいだけど?」
「失った信頼は自分で取り返さないとな。まあ、ぼちぼちですよ」
ミスを挽回するように、最近の祥裄は張り切っている、ともっぱらの噂だった。絵里ちゃんと別れてから調子がいいんじゃないかと、こっそり囁いている人もいるとかいないとか。
祥裄が褒められているのを聞くと、やっぱりなんとなく誇らしく思えるのは、会社は違えど同期みたいなものだからだろう。入社したての頃を思い出す。