年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
祥裄のオムライスも運ばれてきて、ついでにおまけ、とローストビーフのサラダもついてきた。ありがたくいただいて、二人でシェアする。
「なあ、仕事も落ち着いたみたいだし……」
祥裄がオムライスを口に運びながら何かを言いかけた時に、出しっぱなしにしていた私の携帯が震えた。
相手はお母さんで、話を聞かれても構わないだろう、とちょっとごめんと断ってからその場で電話に出る。
なんとなく話の内容は予想できていたけれど、やっぱりお見合いの話だった。とにかく写真だけでも見てみなさい、としつこく言い続けるお母さんに、もう何度お見合いなんてする気はない、と伝えただろう。
『今回はね、地元の市役所の方なのよ。次男だし年齢もあんたの三歳上でお似合いだし、安定性はバッチリ……』
「だから見ないって言ってるでしょ、そんな写真。もうもらって来るのやめてよね」
銀行員から会社員、果ては造り酒屋の後継と、よくもまあそんなに話を持ってこれるなと感心する。このご時勢、お見合い相手を見つけるだけでも大変って言うし、多鶴子おばちゃんはいっそのこと、それをビジネスにしてしまえばいいのに、と本気で思う。
「なあ、仕事も落ち着いたみたいだし……」
祥裄がオムライスを口に運びながら何かを言いかけた時に、出しっぱなしにしていた私の携帯が震えた。
相手はお母さんで、話を聞かれても構わないだろう、とちょっとごめんと断ってからその場で電話に出る。
なんとなく話の内容は予想できていたけれど、やっぱりお見合いの話だった。とにかく写真だけでも見てみなさい、としつこく言い続けるお母さんに、もう何度お見合いなんてする気はない、と伝えただろう。
『今回はね、地元の市役所の方なのよ。次男だし年齢もあんたの三歳上でお似合いだし、安定性はバッチリ……』
「だから見ないって言ってるでしょ、そんな写真。もうもらって来るのやめてよね」
銀行員から会社員、果ては造り酒屋の後継と、よくもまあそんなに話を持ってこれるなと感心する。このご時勢、お見合い相手を見つけるだけでも大変って言うし、多鶴子おばちゃんはいっそのこと、それをビジネスにしてしまえばいいのに、と本気で思う。