年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
私の部屋は二階の角部屋。ドアを開けてどうぞ、と中を示すと、大輔くんがおとなしくついてくる。

リビングのソファを勧めて、私はキッチンでお湯を沸かす。
よくある1LDKの間取りだけど一人暮らしにしては広め、今はアイボリーをベースにモカブラウンで統一している。仕事柄、住む場所にはやっぱりこだわりたくて、家賃は少しお高めだけど広い部屋を選んだ。


二人分のコーヒーを運んでいくと、大輔くんはソファに座って部屋の中を眺め回していた。

「やっぱりおしゃれな部屋ですね。モデルルームみたいだ」

「綺麗にしてるのはリビングだけだよ。見えないところはぐっちゃぐちゃ」

カップを差し出すと一瞬手が触れた。その瞬間にじっと見つめられた気がして、私はすぐに手を引っ込める。

私はソファには座らずに、ラグの上に座った。テーブルを挟んで斜め前、大輔くんからは見下ろされる格好になる。

自分から誘ったくせに、私は妙に緊張していた。

密室に二人きり、彼の気配がとても近い。彼の部屋には泊まったけどそれとはやっぱり違って、自分のプライベートな空間に招き入れるというのは、自分の内側をさらけ出しているような気持ちになる。
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