年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「大輔からなにも聞いてませんか?」
突然の質問に、私がまた黙って見返す。
なにも、って、なにのことを指すのか。
「木下さん、がいらっしゃいました。わざわざ大輔を指名で」
「えっ?」
「男性のお客様ならあいつも切れるので。いろいろ話していたみたいです」
「大輔くんになに言ったんですか、あのバカ?」
驚いてすぐに苛立った私に、苦笑しながら話を続ける。
「何を話していたのかはわかりません。でも、断片的に片桐さんの名前が聞こえてきたのと、あとは雰囲気で、なんとなくの関係性は伝わってしまいました」
すみません、と謝られたけど、謝られたって困る。
「その日は何か考えてる雰囲気ではあったんですけど、落ち込んでる、っていうほどでもなかったんです。どちらかというとその次の日から、妙に落ち込んでる、というか、追い込まれてる、っていう感じがして。
だから、その夜に片桐さん本人となにかあったのかな、と思ったんですけど」