年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~


薬は飲んだのだろうか、ちゃんとなにか食べたのだろうか、欲しいものはあるか。

訊きたかったけど肝心の大輔くんの携帯は私のカバンの中だ。とりあえず必要そうなものをドラッグストアで買い込んで、大輔くんの家に向かった。


一階の角部屋、101号室。
ドアの前で立ち止まって、一度深呼吸をする。大きく吸って、吐いて、よし、と気合を入れてから、チャイムを押した。

ピンポン、とドアの向こうで音が鳴るのがわかる。じっと待って中の様子を窺うけれど、人が動いた気配は感じられなかった。

もう一度鳴らすけど、静かなまま。

もしかして寝ているのかもしれない。それならば邪魔はしたくないけど、携帯だけは届けてあげないとかわいそうだ。どうしようかと思って試しにドアのノブに手をかけると、抵抗を感じずにカチャリ、と下がった。

……鍵、空いてる。

一瞬躊躇ったものの、思い切ってドアを開けた。

中に入ると部屋中真っ暗で、誰もいないのかと思うくらい静かだった。
手探りで玄関の電気のスイッチをなんとか探し出して、その明かりを頼りに奥に進むと、ベッドに微かに上下する影が見える。できるだけ物音を立てないように、その影に近寄った。


ベッドのそばに屈んで覗き込むと、大輔くんは苦しそうな息遣いで眠っていた。


布団は半分くらいはねのけられていて、引き上げて肩までかけようとすると、嫌がるように寝返りを打つ。無言の抵抗を無視して布団を引き上げると、一瞬手が彼の体に当たって、その熱さに驚いた。

……熱、全然下がってないんじゃ?
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