年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
薬を飲んでないのかと疑ったけど、よく見るとテーブルの上に薬局の袋が置いてあった。飲み終わった薬の包装がそのまま放置してある。

きちんと病院に行ったんなら、ちゃんと寝てれば治るはず。

そう信じることにして、買ってきた冷却剤を取り出した。起こさないようにそっと、額に貼り付ける。貼る瞬間にピクリと身じろぎをしたけれど、それ以上は起こさずに済んだようで、また動かなくなった。


タオルを借りて汗を拭って様子を見ていると、しばらくして息遣いが少し落ち着いたような気がした。


買ってきた飲み物や食べ物を冷蔵庫に入れさせてもらうと、もう私にできることはない。
きっと帰ったほうがいいんだろうけど立ち去り難くて、またベッドの横に座り込んだ。
腕を枕がわりに頭を横向きに置いて、大輔くんの寝顔を眺める。


男の子、なんだなあ、と改めて感じる。

目を閉じて苦しそうにしていると、いつも漂わせている人懐こさが消えて、そのせいで硬質な男の人としての鋭さ、みたいなものを感じさせた。

辻井さんや祥裄とは違う、でもきちんと男らしさを感じさせる顔立ち。


また寝返りを打って、大輔くんがこちらを向いた。

手が投げ出されて私の目の前に置かれて、引き寄せられるように自分の手で包み込む。

荒れてガサガサになった手は、これでも大分マシになったんですよ、と笑っていたけれど、私から見たら十分痛々しい。
でもこれが、彼が努力してきた証拠だと思うと、誇らしくも感じる。


彼の寝息を聞いているうちに、私にも次第に睡魔が襲ってきた。

少しだけ、このまま眠ってもいいかな、と思えてきて、大輔くんの気配を感じながら、私はゆっくりと目を閉じた。
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