年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
二人並んだ姿は、誰から見ても、お似合いだった。

後輩って言ってたから、絶対大輔くんより年下。美容師さんらしく、明るい色にカラーリングした髪をゆるく巻いて、グロスでツヤツヤ光る唇で大輔くんに話しかけている。
短いショートパンツから伸びる足は、きっと生足。若さが溢れ出ているようで、私には眩しすぎて直視することさえできない。


大輔くんが葉月ちゃんに何か言ってから、こちらに近付いて来る。葉月ちゃんはその場にとどまって、こちらにぺこんと頭を下げてから、一人でそばにあったお店のウインドウを眺め始めた。

瑞香が何かを察して、私の隣にすっと立った。表情は変えないけれど、私を気遣ってくれているのがわかる。

私の前に立った大輔くんは、隣の瑞香に気付いて小さく会釈した。瑞香も何も言わず、ただ会釈を返しただけだった。


「久しぶり。元気そうだね」

「沙羽さんこそ。……木下さんとうまくいってるみたいですね」


柔らかく微笑む、大輔くんの目は私の胸元に向けられていた。

祥裄とやり直すと決めてから、また身につけ始めた一粒ダイヤ。大輔くんに向こうとする気持ちを少しでも押しとどめたくて、いつもつけるようにしているのだけど。

彼の目にはきっと、私と祥裄がちゃんと仲良くしている証拠のように見えるのだろう。
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