年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
店の選択は明日香ちゃんに任せると、連れてこられたのは入り組んだ路地にひっそりとあるダイニングバーだった。

入口は狭かったけど、中に入ると結構広い。薄暗い照明の中、ソファ席に向かい合って座って、それぞれお酒を注文する。


「で? 沙羽先輩は、なにを迷ってるんですか?」


お酒が届いてグラスに口をつけた途端、明日香ちゃんはいきなり核心に迫ってきた。

「……ていうか、明日香ちゃんはどうして私たちの結婚話のこと知ってるの?」

「坂口(さかぐち)から聞きました。知ってますよね、木下さんの後輩の。木下さんと一緒に飲みに行った時、ぽろっと一回だけ口を滑らせたらしいですよ。
あ、心配しないでください、坂口と私しか知らないです。あっちの会社でもまだ広まってないみたいだし」

「明日香ちゃん、坂口くんと仲良かったっけ?」

「あいつ、結構いろんな情報持ってるんですよね。たまに交換するんです。ギブアンドテイクですよ」

明日香ちゃんの情報網、恐るべし。うちの会社だけじゃなくて、付き合いのある会社にも情報源を持っているのか。
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