年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
明日香ちゃんがえらく興奮しているものだから、私の野次馬根性にも火がついてしまった。じゃあ、とトイレに行くフリをして、店の奥の方へ歩きだす。
注目されてる、というのはすぐにわかった。
その喧嘩は柱の影になるような場所で行われているらしく、周りの席の人たちがしきりにそこを気にしている。
それでも当人達の姿は席からは見えず、トイレに入っていく人たちが必ずちらっと視線を向けていくから、どうやら隙間から一瞬だけ顔が見えるらしい。
私も素知らぬ顔を作りつつ、意識をそちらに向けてトイレに近づく。
「……るな」
近づくにつれて漏れ聞こえてくる声は、どうやら若い男性。
「お前に命令される筋合いないんだけど」
「お前のお遊びに付き合う義務もないんだよ」
言い争う二人の声はえらく似ていた。というか、どっかで聞き覚えのある声な気がするような……。
一瞬だけ確認するだけのつもりだった。
他の人たちのように、すっと通り過ぎるだけのつもりだったのに。
隙間からその二人の顔を見た途端、私の足はぴたっと止まってしまった。
注目されてる、というのはすぐにわかった。
その喧嘩は柱の影になるような場所で行われているらしく、周りの席の人たちがしきりにそこを気にしている。
それでも当人達の姿は席からは見えず、トイレに入っていく人たちが必ずちらっと視線を向けていくから、どうやら隙間から一瞬だけ顔が見えるらしい。
私も素知らぬ顔を作りつつ、意識をそちらに向けてトイレに近づく。
「……るな」
近づくにつれて漏れ聞こえてくる声は、どうやら若い男性。
「お前に命令される筋合いないんだけど」
「お前のお遊びに付き合う義務もないんだよ」
言い争う二人の声はえらく似ていた。というか、どっかで聞き覚えのある声な気がするような……。
一瞬だけ確認するだけのつもりだった。
他の人たちのように、すっと通り過ぎるだけのつもりだったのに。
隙間からその二人の顔を見た途端、私の足はぴたっと止まってしまった。