年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~

――嘘。

よく知っている顔が、あった。しかも、二つ。
 
私の不躾な視線に気付いて、片方がこちらを向いた。うざったそうに睨む目が、一瞬にして驚きに変わる。

「片桐、さん?」
「辻井、さん?」

どこからどう見ても、辻井さんが、二人、いた。

同じ顔。同じ体型。片方はスーツ、片方はラフなジャケットにデニムと、服装こそ違うものの、纏う華やかなオーラは同じ。

あの顔が二つ。二つある。まったく同じ顔が、二つ並んでいる。

あの、壮絶な色気を発する綺麗な顔が、二つ……。
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