年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
無意識に手を掻きむしっていて、我に返って手を止めた。

気を抜くと掻いてしまって、深刻な手荒れがなかなか改善してくれない。同期の恭平(きょうへい)も同じような仕事をしているはずなのに、俺のほうが酷かった。痒くて眠れないこともあって、ただでさえ少ない睡眠時間が削られる。

またイライラが込み上げて来て、このまま一人でいたら叫び出しそうだった。まだ手を動かしていたほうがマシだと思って、店内に戻る。

店内ではそれぞれがウイッグに向かって練習していた。
恭平はモデルを使ったカラー練習ももうすぐ卒業の段階に入っていて、今日もこの前街で捕まえてきた大学生を相手にしていた。
不器用な俺と違って、恭平は飲み込みが早い。俺とは頭の作りが違うんだろうな、と僻み混じりに思う。
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