年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
「まあ、いいけど。お前が何を悩んでようが、お客さんには関係ない。お前一人の小さなミスの積み重ねで、店自体が信用を失ってくんだ。それをちゃんと覚えとけ」
「……はい」
こん、と小さく頭を小突かれた。
言葉は厳しいのに、その手がやたら優しく感じて、胸が詰まる。多分この人がいなかったらとっくに辞めていた。
でももう、限界なんだ。
やばいなんか泣きそうだ、とずっと俯いていたら、今度は頭をぐしゃぐしゃ掻き回された。
「お前、カラーのモデル、見つかった?」
「いえ。まだです」
「じゃあ今から探しに行ってこい。今日はもう店も落ち着いたし、そんな顔でフロアには立てないだろ。……時間になったらそのまま帰っていい。そんで今日はとっとと寝ろ」
ミスをしたのに逆に気遣ってくれる優しさが、今の俺には、辛かった。