年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
店からの呼び出しか、と思ったら、どっかの工場に就職した高校時代からの友達の宏太(こうた)だった。


『よー大輔、今暇かー?』

「暇じゃないよ。仕事中」


モデルハントだって立派な仕事だ。ミスをして半ば追い出されたことは伏せておく。

『なあなあ、お前、今度の金曜日の夜って予定ある? 合コンするんだけど、あっちの幹事にちらっとお前のこと話したら、美容師に興味あるって食いついてきてさ』

今度の金曜日は検定だ。そんなもの行ってる暇はない。

「無理。仕事」

『はあー? お前いっつも仕事って言って断るじゃん。だから朋美(ともみ)も別の男に取られるんだろー』

いいじゃん、さぼれよー、と勝手なことを言う声は途中から耳に入らなかった。


「何、別の男って? 俺とあいつが別れたの、つい最近だよ?」

『え、そうなの? 朋美、結構前から同じ大学の男と付き合ってたよ?』


……そうだったんだ。どうりであっさりと別れ話になったわけだ。


『そんだけ働いててもめちゃめちゃ給料安いんだろー? なあ、俺の会社来ねえ? 休みだってちゃんとあるしさ、今の給料よりは確実にいい……』
「もう切る。ごめん」


呑気な声を聞いていたくなくて、強引に電話を切った。
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