年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
お母さんは話をした当初はひどく残念がっていたけれど、いつのタイミングからか、私に他の相手がいるんではないのかと、疑いを持ち始めたらしい。

いつか紹介してくれるのかしらね、とさりげなく言われた時は、口から心臓が飛び出るかと思った。一緒に暮らしてるわけでもない、電話で話すだけなのに、なんで勘づかれたのか全くもってわからない。

それに、まだまだ仕事で成長するのに必死な大輔くんに、余計なことを考えさせたくない気持ちもある。
泣き言や弱音を吐いたりはしないけれど、度々話してくれる仕事の話を聞くだけで、いろんな重圧と戦っているのはわかる。今が頑張りどきなんだろうと思うから、私がきちんと支えてあげたい。

いずれ大輔くんが自信を持って私の両親に会いたいと言ってくれるまで、彼の存在は内緒にしておこうと思う。私の勝手な思いだけど、それはそんなに遠くないことのような気がするから。

「私たちはねえ、あんたが幸せになってくれればそれでいいんだから。まあ気長に待たせてもらうわ」

そう言ってくれたお母さんに、特大の感謝を込めながらも、口ではぶっきらぼうに、ありがと、と呟いた。
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