年下ワンコとオオカミ男~後悔しない、恋のために~
うん、ない、と一人呟く私に対して、大輔くんが、じゃあ、と少し真剣な顔で言った。


「沙羽さんは、どんな男が好きですか?」


相手をじっと見つめてくるのはきっと彼の癖だ。

誰に対してもそうなんだろう、だからこんな質問に全く深い意味はない。それでも真剣に訊いているのは間違いなくて、はぐらかすのが難しい。


どんな男、ねえ……。

祥裄のどこが好きだったのか、と言われれば、もちろん顔も性格も好きだったけど、やっぱり適度に保てる距離感と、一緒にいる時の居心地のよさだっただろうか。

二人で過ごす時は甘えられるし、でもお互い自分の時間というのはきちんと持ちたいほうだったから、終始べったりということもない。
相手の仕事のこともよくわかるからアドバイスしあうこともできたし、相手の状況に合わせて気遣ったり会う時間を調整したりもできた。何よりも、私のことをちゃんと理解していてくれているという安心感があった。

まあでも、結局そう思っていたのは私だけだったわけだけど。

祥裄の前に付き合った男を思い出してみても、なんの共通点も見いだせなかった。と言っても祥裄の前は学生の時にほとんどノリで付き合っていただけだし、三人というたいして多くもない私の恋愛経験から、傾向を探れというのが無理な話だ。
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