恋する白虎
その夜、いくら待っても永舜は帰ってこなかった。

杏樹は、永舜と離れて過ごす夜が、こんなにも寂しいとは思っていなかった。

永舜……今頃どうしているんだろう。

子供っぽい私に、呆れちゃったかな。

それとももう、嫌いになっちゃったの?

帰ってきてよ、永舜。

永舜に、会いたい。

杏樹は、ベッドの中で丸くなり、自分を抱き締めて眼を閉じた。
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