恋する白虎
永蒼は、リンの唇を拭きながら杏樹をチラリと見た。

「杏樹。お前、永舜を目覚めさせるために、ちょっとは努力してるのか?ただ寝顔を見ててもなぁ……」

杏樹は眉をひそめた。

「努力?どんな風に努力すればいいんですか?」

永蒼は、色気のある眼を杏樹に向けてニヤリとした。

「そりゃお前、口づけをしたり、添い寝してやったり、それで目覚めなきゃ、ちょっと肌を出してだなぁ……」

「なっ……!エイソウさん!!」

真っ赤になった杏樹を見て、永蒼は弾けるように笑った。

「相変わらずですね、永蒼さまは」

リンが微笑みながらそう言い、永蒼は思わず真顔でリンをみつめた。

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