恋する白虎
「杏樹。朝だぞ、杏樹」

んー…。

もー朝ー?

「今日は日曜でしょ、もっと寝かせ…」

…へ…?

やたらと声が、近……。

「きゃああっ!」

杏樹は隣で同じ布団に入り、肘をついて自分を斜め上から見下ろす永舜を、張り付いたように見つめた。

「な、な、な」

永舜は白銀の髪をかきあげながら、杏樹を見つめた。

「おはよう、杏樹」

魅力的な顔を近づけ、清潔そうな口元に笑みを浮かべている。
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