あなたの一番大切な人(1)
 ひとしきり儀式が終了したころ、彼女は身に走る激痛から現実を受け止め、先ほど伝えられた衝撃の事実を思い返した。

 君が宿したその子が必要なんですね・・・

 大嫌いな彼との間にできてしまった世継ぎにもへどがでるのに、信頼していた人間によりこんな仕打ちを受けることになるなんて。

 後悔先に立たず。

 すべて昨夜の自分の行動が原因であるが、世継ぎを宿したとなると平穏な生活には戻れなくなる。

 ましてや悪魔の子を宿したとなると大変な騒ぎになる。

 どうすればいいのか・・・

 そもそも、数年前に彼と出会わなければこんなことに巻き込まれることも無かった。

 今日も女性としての屈辱を味わうことはなかった。

 すべてが運命だったといえば簡単かもしれない。

 しかし、穢されたものの代償が大きすぎる。
 
 戻れるなら...

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