あなたの一番大切な人(1)
 国王の性格からして、拷問や尋問は心おどる言葉だった。

 彼は手に持っていた報告書で顔を隠し、次の瞬間には声をだしながら笑っていた。

 紙を顔から話すと、鋭い眼でこちらを見つめていた。

 「尋問か。なかなか楽しい響きだな。」

 張りつめた空気をまたも破ったのは、ミッドレーだった。

 「あのぉ、拷問したチェスカさんのことを報告していいですかぁ?」

 二人は聞きなれない言葉に、一瞬何の話をしていたかわからなくなった。

 思考を停止している二人を首を傾けながら、ミッドレーは考えていたが、ポンッと手をたたき続けた。

 「あ、彼女ですよ。昨日の陛下の駆け落ち相手です。いやいや、そんなに否定なさらなくてもいいじゃないですか。で、彼女のことを調べたんですが、彼女もクロです。」

 国王は、自分の部下の間抜けな報告にツッコミをいれていたが、最後の言葉に目を見開いた。

 「彼女も、常習だというのか。そんな風には見えなかったが。」

 隊長も同意見だといわんばかりに頷いた。しかし、そんな二人の様子をまるで無視してミッドレーは続けた。
< 61 / 74 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop