白黒王子と甘い恋
――教室――
「「「「キャー。陽太様~。」」」」

朝からずっとこんな感じ。いい加減うっとうしい。

「おはよう。みんな元気だね。」

さわやかな作り笑いでその場を乗り切ろうとしているのは、隣にいるこの騒ぎの原因。

陽太は、小学生になってから自分の本性を周りに隠し始めた。いわゆる、二重人格です・・・。それで、周りから疑われないようにするためになりきったもの。

それは・・・・・。

「王子様」という仮面。


「おっはよ~。今日も一段とすごいね。」

この子は、親友の中谷菜乃(なかたになの)。

陽太を横目で見ながら言った。

「おはよう。あれっ?もう一人のうるさくなる原因は?」

実は、うちのクラスには「白黒王子」と呼ばれる二人のイケメンがいる。おかげで毎朝うるさい。

もちろん、お顔がとっても整ってる陽太は、その一人。陽太は、「白王子」のほうである。・・・黒のほうはというと・・・
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