続・元殺し屋と、殺し屋






体育は疑問を残したまま終えた。

何度も転びそうに…いや転んだので、手を洗いにトイレに向かっていると。

向こうから澪鵺が来た。

…かなり長い時間いたね。




「澪鵺!」

「紅羽。体育お疲れ様」

「随分長くいたね。
保健室の先生につかまっていたとか?」

「そんな恋愛小説みたいな展開になんてなっていないよ。
ただ単にサボッていただけ、特に問題もない」




手を洗い終え廊下に出ると、澪鵺がいた。




「待っていてくれたの?」

「紅羽。次の授業は何だ?」

「現代文だから、教室だよ」



無視されたけど、素直に答えた。

…澪鵺の目が、何だか真剣そのものだったから。




「じゃ、今は良いな。紅羽来い」

「何!?」



再び手を引かれ、屋上に来た。

今日一体何度屋上に来ているのだろうか?

まあ気持ちいいから良いんだけど。

先生にバレる心配も、澪鵺だからなさそうだしね。




「紅羽。
俺もさっきの時間、バルシーに会った」



その発言に私は、雷に打たれたような感覚に陥った。







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