続・元殺し屋と、殺し屋









「…総司……」

「うるさい」

「総司」

「うるさいって」

「総司ッ!」

「…うるさいって言っているだろ。
良い加減黙れよ…ウザい」

「馬鹿ッ!!」





右手を握り、その拳を思い切り総司にぶつけた。

ガツッと良い音がする。

総司は尻餅をついた。





「カナが、どれだけ総司のことが好きなのか、わからないの!?
総司に触れられなくても、カナは総司が好きだったんだよ!
総司の中身に、カナはどうしようもなく惹かれていたんだよ!?

何でカナの気持ちわかってくれないの!?

女は皆外側だけ見て、内側は見ない?
その“皆”の中に、カナが入っているの?
総司はカナのこと、その他大勢の女と同じ見方をしていたの!?

…嫌い。



総司なんて、大ッ嫌い!!!」






カナはその場に泣き崩れた。




…終わった。

もうカナ、総司の傍にいられない。

あの優しさも、笑顔も、見られない。



総司の傍にいられない。

そんなの…辛スギルヨ……。







< 32 / 308 >

この作品をシェア

pagetop