続・元殺し屋と、殺し屋







紅羽と知紗がカナの頭を撫でてくれる。

それを総司は、冷たい瞳で見つめていた。




「馬鹿だな、お前」



神崎が呟く。




「大事な人泣かせてよ。
…信じられねぇ」

「レイ、言い過ぎだ」

「恭真もそう思わねぇの?」

「……」




恭真も黙り込む。




「…オレ、今日は帰るわ」




溜息交じりに呟いた総司は、鞄を持ち、教室を出た。

カナたち以外に残っている生徒は、唖然としていた。




「もう帰って良いよ、お疲れ様」

「「お疲れ様です……」」



気まずい雰囲気の中、神崎が言う。




「相島も帰れ。
総司も、悪気があって言っているわけじゃねぇよ。
明日にはきっと、元の総司に戻っているはずだ。
…相島は、信じてやれよ」




普段紅羽にしか優しくしない神崎だけど。

その言葉に、ほっとした。








しかし、次の日。

総司は学校を休んだ。







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